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「設定――ということだったら、いくらでも俺たちの良いようにバリエーションは増やせる、ということだな」
いつの間にか翔琉が俺の上へ跨っていた。
バスタオルのみで覆われていた翔琉の下半身の中心は既に不自然な膨らみを持ち、俺を煽るようにそれをグイグイと強引に太腿へ押し充てる。
ぎゃっ。翔琉のヤツ、もう何でこんなにも大きくしてるんだよ!
「ちょ、ちょっと! だからって、もう何でこんなにも興奮してるんですかぁ」
大腿へ感じる灼熱の存在を意識してしまった俺は、情けない声で赤面しながら翔琉を仰ぎ見た。
「逆に何故、颯斗は興奮しないんだ?」
俺の太腿で主張する熱とは裏腹に、翔琉は涼しい顔して問う。
こんなところで、人気俳優の変な本気を俺は垣間見る。
「だって今の会話、どこも興奮するような話題、なかったですけど!」
言い返す俺に、言葉より先に布越しから伝わる翔琉の熱が、ルームウェアの下に隠された雄を尋問するよう擦り付けた。
「――颯斗には分からないかなぁ」
哀愁感漂わせ、翔琉は言う。
「な、何がですか……」
突然の変貌ぶりに、俺は翔琉を警戒する。
「大好きな人が俺の子どもを産んでくれる、というロマンが俺のココを何よりも大きくさせているということを――」
翔琉はそう告げると、俺の手を取りバスタオルの上から火傷しそうな自身の太柱を触らせた。
「わっ……」
もう幾度触れたか分からない翔琉のソコは、相変わらず驚嘆の声が出てしまうほど狂暴で。
この大きさ、いつまでも慣れないし。
あっという間に、俺の下腹部もドキドキとその先端まで脈動していくのが分かる。
ダメ、これじゃ俺も翔琉のこと……言えない。
羞恥から俺は翔琉より視線を外す。
「颯斗も――興奮してきたみたいだな」
満足そうにうっそりと翔琉は笑む。
「同じ気持ちで嬉しい。やはり子作りをする時には、夫夫共に同じ気持ちでないといけないからな」
翔琉はそう言うと、俺の唇ヘチュッと触れるだけのキスをした。
「……っ、誰がいつ夫夫にっ」
乱れる呼吸の中、俺は“嬉しい”、“戸惑い”、“恥ずかしい”等、様々な感情が入り交じる。
こういう時、可愛いΩだったら運命の番であるαに「嬉しい」って言うのだろうか。
素直になれない俺は、結局、可愛いΩの主役にはなれないのだと悟った。
「俺たち――夫夫と違うのか?」
真摯な面持ちで翔琉は問い掛けてくる。
いたたまれなくなった俺は、下唇をぎゅっと噛む。
「――これ、誓いの証じゃないのか?」
俺の目の前へ翔琉は左手を突き出す。その左手の薬指には、付き合って最初のクリスマスに俺がプレゼントしたゴールドの指環が、かつてと同じ輝きをそこで見せている。
大事に、大事に今日まで手入れをしてくれていたことが、その劣化することない輝きからは一目瞭然であった。
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