1047人が本棚に入れています
本棚に追加
「てっきり俺は、コレが颯斗からのプロポーズだと認識していたのだが」
恥ずかしげもなく翔琉は告げる。
どうしてこの男は、いつも素直にこういうことを言えるのだろうか。
芸能人だから?
それとも、歳上だから?
それとも、龍ヶ崎翔琉――だから?
否、違う。
素直に「好き」と好きな人に言えなくて、どうしてこの先も恋愛関係が良好に続いていくというのだろうか。
翔琉だからこそ、俺は捨てられていないだけであって。
素直に言えない俺が愛され主人公のΩになれないのは、きっとそこで。
分かってはいるが、ずっと今までがそうであったから、突然物語の主人公になるのは難しくて。
でも、翔琉に愛されるようになってから、自分の中の何かが少しずつ変わってきているような気がして。
「俺だって……翔琉じゃなきゃ、こんなにもココ熱くならないです」
これ以上なく赤面しながら、俺はやっとの思いで口を開く。
「翔琉が俺のαじゃなきゃ、俺だって――こんなにも発情……しないです」
そう言って、今度は翔琉の手を俺の熱の中心へ導いた。
「たとえ俺がβだとしても、俺の番は――翔琉、ただ独りしかいませんから」
Ωの発情にも似た強く甘い興奮を纏い、俺は翔琉に微笑みかける。
途端、ゴクッと翔琉の喉が鳴るのを視覚した。
同時に、翔琉の形良い熱雄も無視できないほど膨張する。
「――悪い。子作り、しよう。俺は双子が欲しい」
強い色香を放ったセクシーな翔琉はそう告げると、我を忘れ俺にのしかかる。
これがαだったら、ヒートにあたるものなのだろうか。
翔琉の下腹部を覆っていたバスタオルが取り去られ、長く太く逞しい熱量が顔を出す。
うわっ。ノット……はないけど、やっぱりいつもよりおっきい気が、する……。
「颯斗がβかどうか、実際にこの目で。身体で、確かめないと。もしかすると、Ωかもしれないからな」
「そんな、俺……そもそもβとか、それ以前に何でもなっ……」
「何でもなくはないだろう? 俺の生涯の伴侶なんだから――」
ギラギラと目が血走った翔琉は、獲物を狙った獰猛な肉食獣の顔をしていた。
確実に俺、今から翔琉に……喰われる。
ドキドキと、今にも張り裂けそうなほど心臓が震える。それでも俺は翔琉のその反応が全力で嬉しくて、潤んだ瞳でその時を待った。
最初のコメントを投稿しよう!