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悪い子……。
否、成人式を終えたら俺は、悪い子どもから大人――へと。
変わってしまうのか。
ギュッと翔琉の首へしがみつき、俺はキスの角度を自ら深くしていく。
「積極的だな」
キスの合間に翔琉はふっと笑いながらそう洩らす。細められたその瞳はグレーが濃く、欲情しているのが分かる。それを目にした俺は、鼓動がドキリと跳ねるのを感じた。
何度も見慣れた瞳だというのに。
翔琉……色っぽい。
否、違う。
エロい。
翔琉、超エロい。
グレーの瞳が超エロいのだ。
獣のような荒い息遣いと共に、ぴちゃぴちゃと接吻しあう蜜音が耳を犯す。
いよいよ俺の下腹部の熱雄は後戻りができないほど大きく育ってしまっている。
式が終わるのを待つなど悠長なことは言ってられない状況だ。
翔琉のとっても色っぽい顔。
とっても綺麗なグレー。
誰にも
誰にも、
見せたくない。
否、見せないで。
俺の前だけで見せて?
そんな濃いグレーを見せたら、皆、益々翔琉の虜になってしまうから。
唐突に不安を感じてしまった俺は、絡めていた舌をそっと抜くと今度は翔琉の頬を両手で掴み、自身の方へと引き寄せる。
驚いた表情の翔琉ににこりと微笑み、俺はその瞼にチュッとキスをした。
「颯斗?」
戸惑いを見せる翔琉に、キスを終えた俺は真剣な眼差しで言った。
「……その瞳、他の人に見せないでください」
「――は?」
更に翔琉は困惑した顔を見せる。
無理もない。
俺だって自分のこの気持ちに戸惑っているのだから。
「俺にだけしか、見せないで下さい」
懇願するように告げた俺に、少しの戸惑いを残しつつ翔琉は笑った。
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