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「んっ……」
朝の光が瞼に当たり、私は意識を覚醒させた。
「えっ……」
見たこともない天井を見上げ、昨日のことを思い出す。
(演劇を見ていて、隣の男のマスクを外して……)
昨日の激しい性交の熱情が目に浮かび、私は体を起こした。
「ひぃっ」
しかし腰の激痛で、起こした体を再びベッドへと沈める。
「今日は無理をしない方がよい」
「えっ」
声のした方へとゆっくりと身体を向けると、あの男性が髪にタオルを当て、ガウン姿で立っていた。
男性は左目をタオルで隠し、ベッドへと近づいてくる。
女のように抱かれたことを思い出し、恥ずかしくなった私は、彼の視線から逃れるように下を向いた。
「おはよう、ルディ……」
しかし男性は、私の近くに腰を下ろすと、耳元で昨日のように甘い声で名前を呼ぶ。
「んっ……」
それだけで私の下半身は反応してしまう。
「……なっ、何故、私のことを知っているのですか?」
男に流されないように頭を働かせて、意識を違う方向へと持って行く。
「貴方は、一体何者なのですか?」
顔を下に向けたまま、問いかけた。
しかし、彼はそれが気に食わないようで、顎を下からすくい上げて私と視線を合わせるようにしてくる。
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