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不安定な足取りで、彼に連れられ外に出る。そこには如何にも高そうな車がハザードランプを灯し男性を待っていた。
車の前に立っていた男が、後部座席のドアを開ける。
これに乗ったら最後、自分がどうなるか分からない。
無事に明日を迎えられないかもしれない。
「は、なして ください……」
なけなしの理性を持って、取られている手を解こうとするが、男性から見つめられたら無抵抗になってしまう。
(早く、壊して欲しい)
脳と身体がシンクロすることが出来ず、
崩折れそうになる私を、男性は抱えて後部座席へと座らせた。
そして口が触れるか触れないかのところで彼は俺に話しかける。
「安心しろ、殺しはしない」
外にいた男性が運転席へと乗り込み、静かに車が動き出す。
俺は促迫する呼吸を整えることもできず、男性に縋るように彼の胸元を裾を掴んだ。
「…っ、たすけて……おね がいっ、」
体に触れる服にも敏感に反応してしまう。
この身体は一体どうしてしまったのだ。
「もう少し、我慢してくれ」
男性は自らのネクタイを緩めると、私を抱き寄せシャツの1番上のボタンを外し、首元に唇を当てる。
男性の荒く熱い息遣い、
頬に触れる大きな右手と、
下半身の膨らみを掴む左手。
炎い、鉄塊のような身体は、電流が伝うように震えてしまう。
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