妖精になった俺

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 第一ターミナルに着いたレオン。  バスから降りると同時に感じるのは、浮遊感だ。  首を後ろに回し背中を見ると、黒い羽根。上手く前に進めず苦労して役所に向かった。  バスに乗る際、メルンからもらったパンフレット。そこには、確かに〈第一ターミナル御案内〉と書かれている。  俺の場合、降りるべき場所は〈第一ターミナル〉ではなく、〈第二ターミナル〉のはずだ。  よろよろと蛇行してやっと辿り着いた役所。使う人は誰1人いないようで、役員が不自然な寝相で突っ伏したいる。 (あの、すみません。第二ターミナルに行く予定だった。アーニャ・レオンという者なのですが…………)  得意の聞き込み技、【相手の脳に直接送る】。無言まではいかないため、口パクでの送受信。  寝ている人にも効果的な秘技である。送られてきた言葉は、 (すいませんネ〜、ボクそのこと全くわからないんデ〜、他回ってチョ〜。ア〜。噂なんだけドォ〜。オトモダチとぉ〜、星100万コ。用意すると良いことあるかもヨ〜。頑張んちゃい!!) 「ヤバッ!! こいつの口調…………。ヤバッ!! 早く正しい世界に行きてぇー!!」  向かうための条件はわかったが、その個性の強さに抵抗感を生み出した。
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