妖精になった俺

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妖精になった俺

『皆さんはじめまして。フェアリーバス案内人のメルンです』  俺は、約40人ほどが乗るバスに乗っていた。これから転生するのだ。  転生先は、もちろん妖精。 〈夢のグランターミナル〉と言われる異世界に向かう。  この場所へ行くには条件があり、1つ目は現実世界で死んでいること、2つ目は特別な個性があること。  そして3つ目は、妖精に関しての知識と興味が計り知れない思いがあること。  また、生前に使っていたものを1つ持って行ける。  噂では、スマホを持って行く人が多いとのことで、キラキラのラメ入りシールを隙間なく貼り付けた、世界に1つだけの〈痛スマ〉を持っている。 『まもなく、第一ターミナルに到着します。順番にお呼びしますので、1人ずつ降りてください』  第一ターミナルは、個性が強い人だけが降りる駅だ。痛スマを持っているものの、性格が普通な俺が降りるところでは…………。 『最後に、アーニャ・レオンさん、降りてください』  それは、俺の名前だった。 「スマホと言動以外普通だよね?! 俺?」
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