101文字小説~或る雪の日に彼の手は氷のように冷たくて~

1/1
前へ
/1ページ
次へ
 雪の日に彼との待ち合わせ場所へ急ぐ。  昨日は遅れた彼が今日は先に待っていた。  いつも陽気な彼は憂鬱そう。 「どうしたの? 行こうよ」  手を握ると氷のように冷たい。  二人で歩いてふと気づいた。  ――彼には足あとがない。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加