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3択
「貴方が落としたのは『金の鎌』ですか?『銀の鎌』ですか?『死神の鎌』ですか?」
ここは学校で、俺はただの遅刻常習犯。罰としてプール掃除をしているだけの、純情な高校1年生 浜田鰹だ。
けど、なにこれ?
プールはまだ水はってないから、からっからなんですけど?
しかも何も落としてません。
よく『あなたの落としたのは…』とかあるけどさ。
あれは泉に何かを落とす事で召喚できる女神みたいなのじゃないの?
水が一滴も無いところに出てくるのはおかしくないか?
100歩ゆずるとしよう、譲るよ。いや1万歩でもゆずる。
最後の
『死神の鎌』って何だよ!
ここは金を選べばいいはず…
嘘をついたがめつい奴は、全て没収になるはず!
「さっさと決めろよ…」
……なんか聞こえたんだけど……
「ささ、どれにしますか?」
「金の鎌をもらおう!」
「毎度あり!1億円です!」
まさかの売り物っ!!
「いりません」
「返品不可」
「クーリングオフ」
「対応不可」
「ふざけんな!悪徳商法じゃねぇか!!そもそもお前はなんだ!」
「…………はぁ…」
何そのため息…めっちゃ腹立つわぁ~
「『金の鎌』を選んだ君は本当に不幸だよ。それは『勇者の鎌』だからね。」
「お前、本当に頭おかしいのと違うか?」
「失礼な。では、これ。確かに渡したよ。頑張ってください!では転送します。」
さっきまで話してた軽い男の雰囲気がいっきに消えた。
「転送?」
「君が世界を救うんだよ…」
そういって姿を消した。
うん……
とりあえず100歩ゆずって、この鎌が勇者の鎌だとしよう………だが、俺は勇者ではない。これは1歩もゆずらない…
勇者なんかになってたまるかーー!
そして、ここはどこだっーー!!
俺の声は目の前に広がる鬱蒼とした森に響きわたった。
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