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森の中
ここ、どこなんだよ。
落ち着け、オレ。
これは夢だ、夢に違いない。プールの出来事も、何もかも夢だ。
おっ!人がいる!
「すんませーん、ここどこですか?」
「わぁぁーー!!」
「えっ!?ちょっと待っ…て…」
まぁ、鎌を持ってる奴にいきなり話しかけられたら逃げるよな。俺だって逃げるよ。あの爺さんは悪くない。
にしても、この『勇者の鎌』とやらは何に使うんだ?
そもそも勇者って何?化けもん退治するやつ?そんなの勇者じゃなくてもできるし、鎌なんて武器は不利だよな。
勇者ってお金もらえんのかな。ボランティア?
いや、命をかけるボランティアなんてやってられるか。
「あぁ、腹減った…。」
ここは夢だ。そう、夢だ。
ガルルルル…
何か、背後でトラっぽい唸り声が聞こえる気がする。
「……」
気がするだけじゃなく、いるーー!しかもめっちゃデカい!!絶対2メートルくらいある!
こんなちゃっちい鎌で倒せるわけない!
とりあえず逃げろ!今の俺にはそれしかない!
でっかいトラみたいなのは意外と走るのが鈍かった。
異世界のトラも、百メートル11秒の浜田 鰹様には敵わなかったという事だ。
……とりあえず、街へ向かおう。森は危険だ。
てか、どっちだよ。街は…。
マジでなんなの。
さっきの逃げた爺さんを追いかければよかった…。
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