その20

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その20

 その夜、男性は自宅にいた。数か月前に車にはね飛ばされ、松葉づえをついている。しかし、暗いことばかりではない。事故の示談金で大金が手に入る。男性は金をもらったら旅行でもしようかと計画していた。そんなとき、外から女性の悲鳴が聞こえた。見ると、男が女性に向かって刃物を振りあげている。女性が男性の目を見て叫ぶ。「助けて」。男は女性の口を手でふさいだ。いまにも刺し殺そうとしている。男性は迷った。松葉づえを握りしめる。そのとき、また女性の助けを求める声が。男性は家を飛びだした。やめないかと、男に駆け寄ると、男と女性は争うのをやめていた。そして、三人目の男がしっかりと映像に収めていた。男性が松葉づえなしでも歩けることを。  短い作品だったのでオチがばれることもすくないでしょう。気づいたらもうオチで、なるほどといった感じでした。
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