その6

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その6

 ある男性、病を患い、もう長くはない。この男性、結婚しているのだが、若いころの浮気相手が忘れられなかった。そこで最期の望みと、妻に浮気相手と再会できるようお願いした。もちろん、妻は拒否する。それどころか、その相手が男性に会いに来たら殺すとまでいう始末だ。しかし、男性もあきらめていない。なんとかその相手に手紙を送り、面会に来てもらえる約束を取りつけた。妻も口ではああ言ったが、本当に殺すようなまねはしないだろう。約束の日、男性が相手を待っていると、なんと妻といっしょにあらわれた。そして、男性のことなど放っておいて女性ふたりで楽しく会話をしている。なにがあったのか、すっかり妻と過去の浮気相手は仲良くなり、男性のことなどどうでもよくなったようだ。  この短編はあまりよくわからなかった。男性は理想で生き、女性は現実的みたいなことらしいが、現代では男女の差が通じるのかどうか。  小説のなかにも男女平等が入りこむのか、それとも男は男らしく、女は女らしく表現するのか。そこらへんどうなっているのだろう。気になるものである。
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