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「私を好きって言ってくれてありがとう。出来るなら、最初に一也を好きになりたかった」
私がそう言うと、カズヤは私の胸に顔を埋めて背中に両手を回して抱き締めた。
肩を抱き締めないで、低い位置で、女の子が彼氏を抱き締める様に、又は母親に抱きつく子供の様に抱きつくカズヤが可愛くてならなかった。
「それ、本当に今更だよ。初めて会った時から、好きな奴が居て、婚約してさ」
「でも、振られたんだって」
だから、赦して欲しい。
「知ってる。もう、誰も好きにならないで。 俺以外。 それが言えなかったんだ」
「意地っ張り」
本当に、あまのじゃくで、意地っ張りで、可愛くて、エロくて、自由気ままで、小悪魔で。
チャラい振りして、誰にでも優しいところが玉に傷だけど。
世界で一番、好きだよ。
「一也……」
「何?」
「結婚して。 好きは一也が言ったから、プロポーズは私に頂戴」
驚きのあまりその場に固まる猫みたいに目を丸くした一也の返事を待った。
『On se marie(オンスマリ)』
長い結婚生活を重ね正式に結婚しよう。
それも、悪くはないけれど、何十年も待てないよ。
おばあちゃんになるまでなんて。
だから、今が良い。
さて、一也は、どう答えるだろう。
でも
後の事は、誰にも秘密。
(これで本当にfin)
あとがき
本編の第4章の閑話休題で、カズヤの話があるので、そこでもう少しくわしく、カズヤと麗の話とソウと冬野由貴と竹中さんが出てくる話を書くので、後は本編でお楽しみください。
突発の短編でしたが、最後まで読んでいただいてありがとうございます
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