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「どうしようかな?」
不意に、一也が私の耳に触れて髪をかきわけた。
「俺と麗は相性良いよ。だって、いつも付けてる、このピアス俺すっげ好きだもん」
いや、気が合うんじゃなくて、一也が好きって言うから付けてたんだ。
ふと、私を振った婚約者の言葉を思いだした。
もしも、次に付き合う時は、自分の弱みを見せられる相手が良いって。
だったら、私はあの婚約者に別れを告げられる、それ以前にその存在に出会っていたと言う事になる。
いやいや、でも、あの時は恋じゃなかった。
少なくとも、今までは。
だって、一度だって、私たちは好きも愛してるも言った事ない。
でも。
たった、5分の回想で、10年、セフレの様な関係だった5歳下の一也と、恋が、恋愛がやっと始まる予感がしてる。
続きはベッドで考えよう。
飽きるまで、呆れるほど抱けば良い。
思いっきり、一也のおねだりを聞いてあげながら。
本当に私とカズヤが恋に堕ちたのか、確かめてやる。
(fin)
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