3/4
前へ
/32ページ
次へ
 「寒っ」  そんなある日。  僕が退屈を消費してる間にも、時間は足早に過ぎ去る。カレンダーは十一月の七日を示していた。  学校をサボった日は、公園で時間を潰す。何かする訳じゃない。ただの暇つぶし。  カーン。  十二時の鐘が鳴った。  退屈な午前が終わって、退屈な午後が始まる。なんか面白いこと起きねーかな。  なんて、考えていた時だった。  「あぶなぁぁぁい!」  頭上から声が降ってきた。  「は?」 と声を出す僕に迫る影。  ボフッ。  間抜けな音を立てて、そいつが僕の身体に着地する。  「痛って!」  下敷きにされた僕は地面に転がった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加