若さの落とし穴

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若さの落とし穴

人は彼を若いと言うし彼自身も相対的に考えればそうだろうとは思っているが追い詰められている。確かに出会う人間は九分九厘 彼よりも年齢は上である。つまり周りから見れば若い。下手したら十分若い。人は「若さとはそれだけで無限の可能性をはらんでいると太古の昔から考えてきた。老いた者は若さに餓えもう二度と死ぬまで味わうことのない訳もなく湧いてくるあの若者特有の無限のエナジーを懐かしむ。若いだけで価値がある。そう人類は信じてきた。この後に続く論理は大抵「人は歳を重ねるごとに多くのことを経験し深みのある人間へと変貌していく」であろう。だがそれでは彼には遅すぎるのだ。
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