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『ハルピュイア副将軍。もしこの国の貴族に魔族は粗暴で低能と言われたらどうします?』
『殺す!』
『魔王陛下なんぞおそるるにたらずと言われたら?』
『滅する!!』
『副将軍、今からでも亜麻音を魔王国への使者に仕立てますから、あのクソ嫌味野郎眼鏡と交代してきますか。今回のお披露目会でいちいち怒っていたら陛下の評判さげることになるんですよ』
『くっ……、もう一度!』
『耐えるのよ、パルマさん!パルマさんなら出来る!やれば出来る子!』
こんなやりとりが半日以上。
もしジリオンさんと交代したなら笑顔でずーっと黙って聞き続けて、最後の自己紹介でとてつもない暴風の反撃をかましてくれたことでしょう。
使者交代なんて羽目になったらパルマさんも立つ瀬がないから、英にいも応援する私もパルマさん自身もすごく頑張りました。
耐える、聞き流す、反応しない、ああそれって本当に難しい!
さらに、この場に入ってくる前にパルマさんには耳栓をしていただきました。
少しは聞こえるかもしれないけれど、聞き取りにくくしとく保険みたいなもの。
ローブを被っているから見つかりにくいだろうしね。
パルマさんは、ヴィオレッタ大公妃の合図で耳栓を外すことになっていました。
そりゃあ一緒に入ってきていただくわけですから、パルマさんを紹介させていただきましたよ。
そのときの大公妃の発言は以下の通りです。
『まあまあ!あなたがハルピュイア副将軍ですの?姪のリースメイアから聞いておりますわ!とても素敵なお姉様と知り合うことができたと喜んでおりましたの!私からも礼を言わせてください。あと、アラテガワ領と商品を取り引きするのですって?他に特産品はありまして?フォトキエは商業の国です。今後は我が国とも是非交易を発展させていきましょう!魔王国の品はきっとどれも珍しく、高価な値が付きますわよ!』
すげえですわ、ヴィオレッタ大公妃。
商人根性丸出しで、魔族への警戒心や嫌悪感より商売になりそうな匂いを嗅ぎつけて迫る迫る。
あのリースメイア姫の叔母様ですと説明すると、パルマさん非常に納得されました。
女王陛下とは前回の訪問で既にお会いしてますし、てことで女傑2人とパルマさんの打ち合わせもばっちりだったんですよ。
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