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「神官長。教会本部の地下の大書庫には貴重な文献が多数保管されていると聞いています。我が国で深く信仰されているルフレア教なのです、聖女に関する記述もきっと見つかることでしょう。どうかそれで私やアラテガワ領民を納得させてください。これは女王の名において命ずることです」
はい、詰みました。
証拠がないのに聖女を教会に連れていけませーん。
神官長がすごすごと下がると、ノザンビア公爵も陰気に付き従うように下がるしかありませんでした。
てか、教会の熱心な信徒なのか、それとも脅されてるのかどっちなの、がりがりノザンビアくん。
「他に異世界の皆様に関してこの場で主張したい者はいますか」
セラード宰相の声に静まり返った場で、たった一人声を上げた人が。
「よろしいでしょうか、陛下」
お、誰だ誰だ。
「どうぞ、ブロール侯爵」
「うん?どこかで聞いたことがあるんだけど」
呟く私に、英にいが呆れたようにため息をつきやがりました、失礼だな!
「あの侯爵令嬢の父親だろ」
「あの……あの!?」
イヴァンヌ嬢か!ついにパパ登場か!
わくわくして見ていると、お髭のいかめしい侯爵様が女王陛下の御前に。
あれがパパかー、てことはイヴァンヌ嬢はママ似なのね。
「女王陛下。先日、第1王子であられるクロード殿下の婚約者である我が娘が異世界人に理不尽な暴言暴行を受けましてございます」
暴言暴行。
はて。
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