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お茶会に出席したら遠慮しないのが無礼だと言われドレスを粗末と言われ着ている私が貧相だからと言われコルセットなしでお菓子を食べたらみっともないと言われたのは私ですが?
でもって、扇でぶたれかけたのも私ですが?
おかしいな、未遂で終わったのがいけなかったのかな。
そしてちらほらと私に視線が向かっている気がしているのだが、おかしいでしょう、お貴族様たちよ。
あんたらさっき聖女ってことでこっち見てたんじゃなかったんかい。
聖女が通らなきゃ乱暴者扱いか。
じゃあ、こっちから仕掛けるか!
「侯爵様。もしやイヴァンヌ様は脚を痛められたのではありませんか。それを暴行とおっしゃられているのでは?」
つ・い、そう、つ・い、私が発言してしまったので、パパ侯爵も「そ、そうだ。おまえのせいで娘は脚を」と渡りに船のように同意をかましてくれましたが。
罠ですよ、おほほほほ。
「そうでしょう、だってイヴァンヌ様、あんな繊細なヒールで生垣をかき分けて道なき道をやってこられたのですから」
「なっ!?」
そこは娘から聞いてなかったんかーい。
暴行も実際には受けてないから傷も見せられなかっただろうしね。
「ブロール侯爵。それに関してもしあなたがこれ以上言及するなら私からも言わなくてはならないことがあります」
女王陛下の側に控えていたトリュステン王子が口を開いた。
「あの茶会は我が妹フロレアが主催し、我が婚約者であるリースメイア姫を招き、姫の要望で異世界人であるアマネ・モリ・アラテガワとトミコ・ノセ・アラテガワを招待したもの。場所は王家の庭のガゼボであったはず。イヴァンヌ嬢は誰の許可を経て王家専用の庭に入り、招待をされていない王家の姫主催の茶会に姿を現したのか、ご説明願いたい」
トリュステン王子の口元は相変わらず微笑んだままでしたが、声は厳しいものでした。
そりゃあそうだ、王家の庭に入り込まれるわ、その場には大事な妹と大事な婚約者はいるわ、それをやらかしたのが大好きなクロードお兄ちゃんを誑かした一派が送り込んだ婚約者だわで、きっと内心怒り心頭。
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