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「は、いえ、その、娘はクロード殿下と結婚いたしましたら、フロレア様やリースメイア様とも姉妹となりますゆえ」
「結婚を既に行っていると?」
「い、いえ」
「なのに、王族を名乗るおつもりですか?もしくは同等の権利があると主張していると?」
「め、めめ滅相もございません!」
自分の愛娘に泣きつかれ、邪魔な異世界人を追い落として、出来ればクロード王子の復帰の足掛かりでも作っておきたかったんだろうけれど、アウトですパパ侯爵様。
さすがに王家専用の庭に招かれていないのに無断侵入、生垣かき分けて乱入したってことを他の貴族たちも理解し、ブロール侯爵への同情の声一つもなし。
むしろ、何やってんだあそこの娘だの、これは処罰ものでは、婚約解消か、などと囁かれる始末。
「もちろん、イヴァンヌ嬢を唆した者がいるのでしょう。そうでなくばあなたの御令嬢が我が王家の庭に入ることなどできません」
「は、そ、その通りで。娘はよからぬ者の奸計にはまったのです」
「その者は既に拘束しております。どのようにイヴァンヌ嬢を唆したのか取り調べて明らかにしていきますので、ご安心を」
侯爵の安心材料ゼロですな、トリュステン王子。
捕えらえた人が誰に命じられたのか白状したらどうなるんでしょう。
あら、何だか顔色のよろしくないお貴族様方がちらほらと。
「他に私たちに訴えたいことはありますか?」
トリュステン王子の清々しいまでにどす黒い(相反するはずなのに両立させられるトリュステン王子すごい)笑みの前に、パパ侯爵あっけなく敗退。
最短記録樹立かのような速さでしたわよ、トリュステン王子による反論潰し。
明日の夜会で今日の醜聞が囁かれること間違いなし、やったね準主役だイヴァンヌ嬢。
パパをかり出さなきゃよかったのにねえ。
パパの面子、丸潰れ。
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