20話 友達の意義

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「……側にいるだけで楽しくて……何でも話せて……ずっと一緒にいたいって思えるような人でした。でも……事情があって、もう会えないかも知れないんです……」 そう、あんな風になれる友達は、きっともう他にいない――。 見ず知らずのこの人にこんな事を言ってもしょうがないのに……。 彼が僕の方を表情なく見下ろした。 「離れたくないのなら、離れなければ良いだろうが」 「でも……会ってはもう駄目になるんです……。そうでないと……彼等に被害が……」 「――何のことかは知らんが……。誰が何をしてこようが、決めるのはお前だ」 言われて、僕は隣の青年を見上げた。 「他人など関係ない。全ての決定権はお前にある。本当に自分で決めたことなら、他人の妨害など障害にすらならない」 「……」 「――例え親だろうが教師だろうが、お前の全てを知っているわけではない。お前の最善など他人に分かる訳がない。――判断を他人に委ねるな。お前自身のことは全て自分で決めろ。そうすれば迷いなどなくなる」 僕はぽかん、と眼帯の人を眺めた。 全て話した訳じゃないのに、どうしてそこまで分かるんだろう?
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