20話 友達の意義

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だけどその横顔からは、自身への絶対的な信頼や、揺るぎなさを感じた。 その強さがほんの少し、リョウジと重なった。 リョウジと、真夜さんと……一緒にいたい……。そう思っていて、良いの……? 本当に……全てを決めて良いなら、僕は――。 ――皆と一緒にいたい。 雨が急に大きくリアルに聴こえてきた。 今ここの世界に、ようやく戻ってきた感じだった。 「――少しはマシな顔になったな」 声に反応して、再び彼を見上げた。 眼帯の人は数歩僕の側に近づくと、傘を僕の方に差し出した。傘の柄と彼の顔を交互に見比べる僕に、彼は僕の腕に手を伸ばしてその柄を握らせた。 「あ……だ、駄目、です……」 あなたが濡れてしまう……。そう言おうとした時、トラックが前を通過した。水飛沫と風圧を大いに上げ去って行く。傘が飛ばないように僕は一瞬ギュッと柄を握り、強い風に目を瞑った。 風が止んで、目を開けると驚いた。 眼帯の人の姿は、そこにはもうなかった。 煙のように搔き消えていた。いつかのように。 また、だ――。 僕は少しの間、降りしきる雨の音を聞きながら、自分の身には余る大きな傘を持って、その場に一人立ち尽くした。
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