清水凪①

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清水凪①

(なぎ)ー、次、教室移動だぜ!行こー!」 「ん、おう!」 俺、清水(しみず)凪の隣の席は、いつも人が座っていない。 高校2年の6月、水色をした紫陽花の花に大粒の雨が降り注ぐ中、俺はとある女の子に思いを馳せていた。 5月のゴールデン・ウィークの前まで、教室で普通に授業を受けていた優璃(ゆり)さん。 明るいし、ちょっと天然な感じの良い子だった。 2年になって、初めて俺達は同じクラスになった。 高2最初の自己紹介で、優璃さんは絵を描くのが好きだと言っていた。 でも確か、部活はブラスバンド部。
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