12人が本棚に入れています
本棚に追加
清水凪①
「凪ー、次、教室移動だぜ!行こー!」
「ん、おう!」
俺、清水凪の隣の席は、いつも人が座っていない。
高校2年の6月、水色をした紫陽花の花に大粒の雨が降り注ぐ中、俺はとある女の子に思いを馳せていた。
5月のゴールデン・ウィークの前まで、教室で普通に授業を受けていた優璃さん。
明るいし、ちょっと天然な感じの良い子だった。
2年になって、初めて俺達は同じクラスになった。
高2最初の自己紹介で、優璃さんは絵を描くのが好きだと言っていた。
でも確か、部活はブラスバンド部。
最初のコメントを投稿しよう!