0人が本棚に入れています
本棚に追加
人より少し幅広で大きな彼のあしあとを追いかけるのは嬉しくて 安心できた
平均より少し小さめな私のあしあとはすっぽり隠れることが出来る
迷うことなくまっすぐ続く彼のあしあとを疑うことなく追いかけていた
でもいつしか 足並みは揃わなくなって 歩幅も大きく広くなって その後さえ見失ったり‥
そして彼の大きなあしあとはじたばたする私の小さなあしあとを 見つけるだびに踏みつけて 怖くて隠れるあしあとも 上からまるごと踏みつけた
怖くて辛くて駆け出して 遠くから見た景色の中に 私じゃないあしあとに寄り添う幅広で大きな彼のあしあとが見えた
かなしいと安心のきもちで濡れている私は明るい方へゆっくりとあしあとを残していく
最初のコメントを投稿しよう!