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人気者になってみた
「人気者になりてぇええ!!! 」ドーーーン
そう呟いたのは中学の昼休みである。元々学校内で人気者ではあったが、ここまで人気者になるともっと人気が欲しくなる。ニンゲントハドンヨクナイキモノダ。
「うるせーよ! てか、お前十分人気者だぞ? いろんな意味で」バン!
「ファッ?! お前心の中読めんのか?! それとも地獄耳なのか?! 」
こいつは津込(ツコミ)。産まれ産婦人科、幼稚園、小学校、中学校全部おんなじの幼馴染みだ。テンション高めな俺に毎回つっこんでくれる。
あ、俺の自己紹介忘れてた。
俺は利抱(リーダ)。根っからのアタオカだ。小学生の頃、外のバケツに溜まってた雨水を飲み干したことで一躍有名人になった。
「あんなに叫んでたら嫌でも聞こえるわ! ったくうるせぇやつだな」ポリポリ
「あっ! そうだ! 津込! なんかもっと人気者になれる方法ないか? 」キラキラ
「人気者? そうだな......」
なんだ、珍しく真剣に考えてくれてる。いつもなら『うるせぇーーー! うぎゃーーーぐへへへへー! 』で終わるのに。
「放課後、お前の家行ってもいいか? 」
「おお!! いいぞ!! 久しぶりだな友達を家に呼ぶのは! 」キラーン
-放課後 俺の家-
「いや、久々に見たが、すげえな」ドンビキ
「だろ!? さ! ハイッテハイッテ! 」
俺は津込を骨組みむき出しの家に招き入れた。
「親はいないから遠慮すんなよ! そんで、人気者になる方法って? 」ワクワク
俺のロマネスコだらけの部屋で、あぐらかきながら話した。
「......YouTuberだ」
「おお! YouTuber!! 今話題沸騰中の! 」
YouTuberというと、今や小学生中学生のなりたい職業で上位にランクインするやつだ。それは思い浮かばなかったな。
「お前だったらYouTuberになっても、お小遣い稼ぎぐらい出来ると思うぜ」
「まぢか! じゃあ今すぐやろう! 津込も! 」テニギリ
「え? ああ、やろう...」ポカーン
「でも、もっも人数欲しいな、よし! 友達集めてこよう! 」タッタッタ
こうして、俺の人気YouTuberになるための試みが始まった。じゃなくて、なるための試み『始めてみた』だな。
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