僕の右手の神Seven

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◆◇◆◇◆◇◆◇ 「お名前を教えて下さい」 「清水和平です」 「今日はどこの手術か教えてください」 「右肩の手術です」 「わたしの名前はわかりますか」 「中村、いや今は小早川さんかな」 いたずらっ子のように中村さんが笑顔を見せた。 「今日の手術、わたしはいつも以上に頑張りますね」 「ありがとう、宜しく頼むよ」 「先生には、わたしの手術の時のお礼したいから。先生は信じて任せてね」 「ああ、信じて任せるよ」 今日の手術は、岡田先生、浅村先生、小林先生、中村さんがついてくれる。それに、右手の5人も助けてくれるだろう。 僕はみんなを信じて、安心して小林先生が行う麻酔に身を委ねた。手術室には、僕がリクエストした"風味堂"が流れている。僕の意識が落ちる直前に聞こえたのは、【ナキムシのうた】だった。
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