僕の右手の神Seven

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損傷した血管を修復しようとセサクが術部を移動しようとしているが、出血の多さに思うように進めない。 岡田先生も浅村先生も異常に成長している血管の影響で、なかなか止血作業が進まない。 「出血量も増えてきたわよ。バイタルはまだ大丈夫、安定しているけれど、出来るだけ早めに止血して」 小林先生もなかなか進まない止血作業に不安を感じているようだ。 「バイポーラーでは止まらないか。こんなとこにも大きな血管があるのか。どうなってるんだ」 「岡田先生、輸血用意しておきますか」 外回りの看護師に輸血準備の指示が飛ぶ。 "だから変な音するって言ったじゃん。和平だったら、手を止めてくれたのに" "今、そんな事言っても仕方ないだろう" ヒアの、タックの苛立ちも見て取れる。 "凝固因子のみんな、なんとか止血を頑張って、何とかして" "ごめん、出血量が多くて僕の力じゃ修復が間に合わない" ボイスも、セサクも見てわかるほど焦っている。 こんなやり取りをしている間にも出血は続いている。このままでは、まずい、その場にいる誰もがそう思っていた。 「血圧が下がり始めてる」 小林先生がバイタルサインの異常を知らせる。
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