15人が本棚に入れています
本棚に追加
"和平、起きているか"
"ああ、プレシか"
"少しベッドを上げられるか"
"できるよ、それくらいなら"
そう頭の中で言ってから、左手でリモコンを操作してベッドの頭側を持ち上げた。
"和平、布団の方を見てくれるか"
言われるがまま、目線を掛け布団の上に置くとそこには、プレシ、タック、ヒア、ボイス、セサクの姿があった。
"和平、痛くない?"
"ヒアか?うん、だいぶ楽になってきたよ"
"ごめんね、僕が治しきれなかった"
"セサク、がんみたいに大きな病変を治したら、お前が消えちゃうよ。
ところで、プレシ、君の姿を見るのは本当に久しぶりだよ"
"ああ、そうだね。ぼくはいつも、君の右手の中にいるからね"
"昨日の手術、タック、ヒア、ボイス、セサクがいることで安心していた。そして、プレシが一緒にいてくれたお陰で勇気が持てたよ。
みんな、本当にありがとう"
みんな嬉しそうな顔を見せている。
"ところで、そろそろ何があったのか教えてもらえるかな"
僕はみんなを見回して説明を求めた。術中に起きた事、軟骨肉腫が通常と違う状態だった事、彼らが関与していない訳はないと思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!