僕の右手の神Seven

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◆◇◆◇◆◇◆◇ 「それでは、あちらで看護師さんから入院の案内を聞いて下さいね」 電子カルテを覗くと、今の患者さんが最後だったようだ。 「よ〜し、今の患者さんで終わりだね。お疲れ様でした。お昼ご飯食べに行ってくるね」 今日は何にしようかな。うちの病院の食堂は、管理栄養士さんが職員の健康気遣って、安価で栄養バランスの良いメニューが多いからいつも選ぶのが楽しみなんだよね。 おっ、日替わりがササミの梅紫蘇揚げか。サラダもつくからこれにしようかな。 食券を買って、日替わりランチができるのを待つ。程なくしてキレイに盛り付けられたササミの梅紫蘇揚げが手渡された。ご飯と味噌汁をよそって、空いている席を探すと浅村先生が食事をしている姿が見えた。 「お疲れ様です」 そう言って、浅村先生の向かいの席につく。 「清水先生も今からですか?おっ日替わりランチも美味しそうですね」 「本当だ。俺もそっちにすれば良かったかな」 そう言ったのは、浅村先生の隣でヘルシー豚しゃぶ丼を食べている整形外科の岡田先生だ。もう60歳近いのにまだまだ現役と頑張っている大ベテランの先生だ。 「岡田先生のも美味しそうですよ」 そう言いながら、机の上のドレッシングを取ろうと右手を伸ばした時に激痛が走った。 「くっ」 思わず伸ばしていた手を空中で支えきれず、テーブルの上に音を立てて落としてしまった。
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