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美澄のケガを一番心配していたのは友達の朋子だった。
いつもとなりにいるはずの美澄がそこにいない違和感を朋子は常に感じていた。
朋子は美澄を心配して、美澄の家に電話をかけたが、美澄は今、誰にも会いたくないと言っているらしい。
連絡が取れない日が続くと、嫌なことばかりを想像して、美澄のことが余計に心配になってくる。
朋子にそんな思いが募った秋の日の午後、朋子は家で休んでいるはずの美澄に会いにいくことを決めた。
美澄は友達だから、自分が美澄を励ましてあげなくてはならない。
朋子は純粋な気持ちでそう思い、お見舞いの花とケーキを買って、美澄の家の玄関の前に立っていた。
そして朋子は玄関のベルを鳴らし、美澄の母からの返事が返ってくると、玄関のドアを静かに開けて、家の中へと入っていった。
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