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「それじゃ、話すよ。
学校の都市伝説。
咲良は怖い話とか大丈夫?」
「大丈夫じゃないけど、拓実君のためなら大丈夫」
「咲良っぽい答えだね。
それじゃ、わかった。
今からさ里山高校の都市伝説を話すね。
タイトルは、そうね、『教室に潜む切り裂き魔』それか『恋に狂ったサイコパス女子高生』」
「優子が勝手につけたタイトルなんてどうでもいいよ。
私が知りたいのはめちゃくちゃ平凡な女子校生の私が、あの学校のアイドル、木村菜々子に勝つ方法だから」
「めっちゃ、真剣だね」
「真剣だよ。
私がずっとずっと大切にしてきた思いが、優子の話にかかっているの」
私はそう言って教室の窓際の席で自分の机を挟んで優子と真面目に向き合った。
この私があの木村菜々子を相手にして、恋で勝てる方法なんてないと思う。
でも、もしもそんな夢みたいな話があるのなら、私はその話にかけてみたい。
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