第2話 動く

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第2話 動く

 僕がまず初めに考えなければならない事は「どうすればこの真っ暗な世界を見ることができるようになるか」と言うことでした。何も見えなければ何も始まらないからです。だから僕は「なぜこの世界は真っ暗なのか」と考えました。ひとつ思いついたのは「まだこの世界は夜なのかもしれない」と言うことでした。そうであるならば、しばらく待っていればこの世界の太陽が昇ってくるかもしれません。そうなると、僕に必要なことは「待つ」ということになるでしょう。もうひとつ考えたことは「僕がいる場所は外ではなくて、建物の中かもしれない」と言うことです。僕は明かりのついていない部屋の中にいるだけであって、全てが真っ暗な世界にいるわけではないと言うことです。だから手を伸ばせば、部屋のどこかに電気をつけるスイッチのようなものを見つけることができるかもしれません。そうなると、僕に必要なことは「動く」ということになるでしょう。僕は少し考えて「待つ」ことではなく「動く」ことを選択しました。すると、何かが手に当たりました。
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