人気配信者ー憧れていた世界の現実ー

コラボ配信デビュー

デミグラスソースでごまかしても、失敗したのはまるわかり。

昨日、作ってみようかな、なんて言わなければ良かった。

ため息をつきながら、とりあえず手作り料理第一作のデミグラスハンバーグを写真に収め、母と一緒に食べる。

「なかなかいけるわね」「うん、美味しいね」焦げを外したハンバーグは予想よりずっと美味しかった。

『ハンバーグどうだった？』夜、母の作った夕食を食べ終え、自分の部屋に入ったタイミングで陸からＤＭがきた。

わざわざＤＭをくれるなんて、本当の事を言った方がいいかな。

ＤＭで失敗したハンバーグの写真を送り、料理をほとんどした事がない事を伝える。

『じゃ、これから俺の作る料理を真美も毎日作ってみない？』
わからないところがあったら、ＤＭで教えるから』

『えっ、いいの？　作る！　私、内定取消されて、ずっと家で引きこもっていたの。だから、何かしてみたいって思っていたんだ』　

『よし、じゃ、毎日俺のレシピを見て、料理を作ってＤＭに写真を送ってくること。すぐ
に上手くなるから』

『わかりました。陸先生』

それから毎日、陸の作った料理のレシピを見ながら、料理を作っては陸にＤＭを送った。