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「お母さん、ミートスパゲッティが出来たよ」
「あら早かったわね。由里ちゃんも真美が作ったミートスパゲッティ食べていく?」
「お母さんたらダメよ。今食べたら、うちの夕食が食べられなくなっちゃうじゃない」
姉が母に注意をすると、由里ちゃんが姉に抱きついた。
「まま、由里、真美お姉ちゃんのミートスパゲッティ食べたいぃー」
「ほら、由里ちゃんも食べたいって言ってるんだから、少しだけ食べさせあげてもいいでしょ?」
姉は、由衣ちゃんの可愛らしいお願いには弱い。
「お母さんがそういうなら。最近、真美、料理頑張っているわよね。
何かあったの? 彼氏が出来たとか?」
姉が興味津々の目で私を見てくる。
「ずっと自粛生活を送っているのに彼氏が出来る訳ないじゃん。出会いがないんだから!」
「そうだよね。まあ、料理に目覚めたことはいい事だと思うわ。自粛期間中に花嫁修行が出来るわね」
「はいはい」
姉に言い返すと、話が長くなるから面倒臭い。軽く頷いて、姉と由里ちゃんにもスパゲッティが少し入ったお皿を渡した。
「いただきまーす」
食事の前にみんなで手を合わせた。
「美味しい!」
由里ちゃんがニコニコして食べている。
お母さんとお姉ちゃんは……あれっ? なんだか微妙な表情だ。
「真美、このスパゲッティ何分茹でたの?」
母が私に聞いてきた。
「3分だけど。ほら、このスパゲッティの袋に3分って書いてあるよ」
「……ちゃんとタイマーセットした? なんか麺にコシがないんだけど」
えっ、コシがないって、アルデンテじゃないってことだよね?
私は袋に書いてある通りちょうど3分……タイマー探していた時間がもっと長かったのかも
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