ここはどこだ!

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ここはどこだ!

1. 背後に現れた得体の知れない人物…? どのぐらい離れて居るのか? 10メートルはあるだろうか? 顔を伏せたまま… こちらに向かってくる… 『大丈夫だ…逃げられる…』 俺が心の中で呟くと… 脳裏に嫌なイメージが湧き上がり… 心臓が高鳴り始めた… するとその人物は… いつの間にか俺との距離を縮めていた… 俺は背後に気配を感じ… 振り返ると… その人物が佇んでいた… そして、伏せていた顔を上げ俺を凝視した… その顔は… 皮膚は焼けただれトゲのような物が蔓延り… 目は鋭利なナイフのようで… 口は顔半分まであろうか… 長髪で… 頭にはトゲより大きなツノの様な物が生えていた。 その人物はこの世の者とは思えない… まるで「鬼」では無いかと…? その人物は怒り狂った形相で大きな口を開き… 俺を威嚇すると… 持っていた斧のような刃物を 躊躇なく振り下ろした… 咄嗟に身をかわしたが… かわしきれず… 右腕… 力こぶ当たりをかすめ地面に… 「カッキ〜ン」 甲高い金属音が鳴り響いた… 『ヤバイ…』 俺は恐怖から言葉を発する事が出来ず心の中で呟いていた。 すると逃げる猶予がないままその人物は俺に襲い掛かって来た… しかし、俺の身体は恐怖から硬直し… 逃げる事が出来ない… 地面に叩きつけられた斧のような刃物を… その人物が拾い上げ… 再び襲われる覚悟が出来ていた。 『ヤバイぞ…死ぬなぁ?』 心の中で誰かが囁いた… 「痛っ…」 その時、右腕の力こぶから流血していることに気付いた… その人物の形相や行為に恐怖を感じ萎縮していたが… 力こぶの流血から痛みを感じ… 恐怖の呪縛から逃れる事が… その人物が地面から斧を拾い上げ振りかぶった時… 屈み込みその人物の脚を払い退けた… 俺は強く無かったが、ブルース・リーに憧れてカンフーを習っていたことから… 咄嗟にその人物の脚を払い退ける事が出来たのだ… よろけるその人物の隙に俺は逃げ出したのであった。 すると、何処らか… 「こっちだ…こっち!」 と叫ぶ声が聞こえてきた… 前方の廃墟の路地から誰かが俺に手を振っていた… 俺は全力でその手を振る奴に向かって走った…
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