1 成人式の後、集まった5人はそれまでの恋愛経験を語る

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1 成人式の後、集まった5人はそれまでの恋愛経験を語る

 高校を卒業して2年、地元で開催された成人式に5人は出席した。式が終わったその夜に、彼女達は集まる約束をしていた。居酒屋はどこも予約でいっぱいで、中華料理屋の個室を坂上花純(かすみ)が取っていた。久々の再開を喜び合い、話に花が咲いた。しばらくして朝比奈(あん)が、皆に提案した。 「高校に入ったばかりの時にしたみたいに、陰の自己紹介をしてみようか。」 「ああ、あれで皆が打ち解けたんだよね。」と南真莉愛(まりあ)が言った。 「でも、今さら自己紹介はないでしょ!」と言ったのは、鴫野芹菜(せりな)だった。 「今の近況を報告がてら、やっぱり恋愛談が訊きたいよね。どう?」  白石櫻子(さくらこ)の積極的な意見を取り入れて、5人は話し始めた。 花純「では私から。坂上花純で、名前はいらないね。成長はあまりしてなくて、 バストも5年前と同じAカップのままだけど、少し形が良くなった。そん な事は言わなくても良いか、恥ずかしい。今は大学に家から通っている。 日本文学を専攻してて、教職課程を取り始めた。いずれは教師を目指して いる。これまでに恋愛経験はなし。」 「恋愛経験なしって、キスもまだ?好きな人とかいないの?」 花純「まだだよ。男の人が怖い訳ではなくて、何だろう、付き合ってみたいと か思わないんだよ。気になる人は、ゼミの先輩にいるけど、彼女がいるみ たいで、遠くから憧れているだけ!」 真莉愛「次は私の番で良い?短大だから、もうすぐ卒業だよ。保育士の免許を 取って、一応就職はできそう。今は、花純の前だけど、花純のお兄さん と付き合ってる。それから少し太ったみたいで、Cカップがきつくなっ てきた感じ。高校の時は、お世話になりました。」 「花純のお兄さんと、高校の時からなの?今は、どこまで進んでいるの?」 真莉愛「卒業してから、花純が手を貸してくれた御蔭(おかげ)かな。どこまでかは、妹 さんの前では言い難いから、勘弁して!」  花純の初心な様子に、他の4人は純真だった頃の自分を重ねていた。真莉愛の一途な恋には、応援してやりたい気持ちになっていた。
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