1072人が本棚に入れています
本棚に追加
/173ページ
「いいよ、夜だし危ないし。気持ちだけで」
『……この前よりは早いと思うけど。あ、もしかして料理の腕疑ってる?』
「いや、それは思ってない!断じて!」
何故か食い気味に返してしまった。
それに、この前とは来るにしたって事情が違う。
『ふふ、良かった。その……長居はしないから。つまらないグチ聞いてくれたお礼と思ってくれればいいかなって。行っていい?』
間が絶妙で、ノーと言わせないような声色だ。可愛いな、全く。
「分かった。待ってる。気をつけてね」
素直に返事をし、通話を切った後でふと気づいた。
長居しないからって言ったよな。あれ、エッチなし?
いやいや、ご飯を作りに来てくれるんだ。顔を見れるしそれだけでもありがたいのに、変な期待をしてはいけない。明日もお互い仕事があるし、よくよく考えたら一昨日したばかりじゃないか。そりゃ、入れてないけど。
心の中で繰り返し言い聞かせて、煩悩を振り払った。
最初のコメントを投稿しよう!