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誅するか否か、それが問題だ
痴漢を誅するか否か。
宋十郎は悩んでいた。
昨日、憂が痴漢に遭った。
憂と彼の関係はやや複雑だが、ひとまず憂は彼が後見しており、妻の伊奈も可愛がっている若者なので、心持ち彼らの甥か子のようなものである。
その若者が謂れなき暴力の被害者となり尊厳を踏みにじられたとあり、宋十郎の心中は穏やかとは程遠い。
彼の第一択は報復以外にないが、現代日本では愚者の首を落とすことはおろか、まともな刃物を持ち歩くことすら罪にあたる。
まずは努めて冷静に考え、対処に当たっては当地の文化や慣習に通じた者に助言を求めるべきだろう。
幸い今日は、暁士に会って話す約束をしている。
宋十郎は痴漢問題に関し、暁士に相談を求めようと決めた。
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