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社員と部長は後半二つに大喜び。しかし安眠には疑問があった。
「なぜ安眠なのでしょうか」
【ええ、どうやら日本という島の人間は疲れているようでして。私とて神の端くれですし癒すことしかできませんが、それでもよろしければ……いかがでしょう?】
手を繋ぎ、輪っかになった社員たちが顔を見合わせて「部長」と宇宙開発部長に最終判断を求めた。
「うん、やろう! 久野くんはきっと大丈夫さ」
【ありがとうございます……では一週間以内にお願いします。失礼致しました】
通販かよ、とツッコミを入れる間もなくブチッとブラウン管テレビが落ちるような音がして、脳内の音声は消えていった。
「ふああああ……」
「わ、綿村くん!」
直後倒れた綿村とウサギサンに眠らされた社員を救護室に運び、宇宙開発部は会議を再開する。
「議題変更! ウサタン救出&月面清掃大作戦だー!」
「うおおおおおお!」
「やるぞおおおおお!」
「がんばるぞおお!」
ノリのいい、頭もいいはずなのにちょっと残念な宇宙開発部の面々は張り切って準備をした。それこそ寝ずに、準備をした。この作戦が終われば生涯の安眠が約束されているのだ。
「久野くんにさ、教えるのさ、どうせならサプライズがいいかな?」
「天才です部長!」
「宣伝費も余ってますし、いっちょやってみます?」
「やりましょやりましょ!」
社員は深夜テンションであの大画面広告まで仕込み、なんと三日三晩でミキサー型シャトルを完成させた。できた、と作業員が目を回しているところへ
「なんじゃこりゃー!!」
叫びとともに久野が入ってきた、ということだった。
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