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「よおうし、久野さん。行ってみよう!」
「え?」
宇宙開発部部長がパンパンとリズムよく手を叩くと、屈強な男たちが数人走ってきた。わっせわっせ、とエフェクトまで聞こえてくる。
「よいしょー!」
「よいしょー!」
「ひいいいいいい」
掛け声ごとに、梯子を数段ずつ投げ上げられる。「落ちるなよー」と部長の笑う声がどんどん遠くなっていく。ねえ、ダメじゃない? これはまずくない?
「よいしょー!」
「ヨイショー!」
「よいしょー!」
あ、いま外国人いたね。十段くらい飛んだもんね。やっぱり大陸の人って身体が違うわ……じゃなくて!
「よ、い、しょー!」
「きゃあああああー!」
僕の心の女性が目覚めた瞬間、一番上にポーンと投げられた。
スポン。ん? お尻が何かにハマったぞ。恐る恐るみるとプールサイドの監視員の椅子みたいのがミキサーのてっぺんにぶっささっていた。そこにすっぽり座っている僕、自動でしまるシートベルトに防護服とヘルメット。ここだけやけに近未来的だ、なんて考えている場合ではない!
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