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私は父親のことを兄や姉のようには憎み切れずにいた
いくら兄や姉があんなクズと父親のことを言っていても、私一人くらいはいつか何とかなるはずだと思っていてあげよう
本当にそう思っていた
でも
でもあの人は一線を越えた
絶対に超えてはいけない一線を越えたのだ
私は父親の所に行き
そして言った
私からあなたへ言いたいことがあります
父親は
父親に向かって"あなた"とは何だ?お父さんだろ!
父親なんかじゃない!
もう他人以下よ
早くお母さんと離婚して!
直人さんにあんなことをして、絶対に許さない!
どこへでも行きやがれ!
二度と顔を見せるんじゃない!
そう叫んで走って
走って
走って
防波堤に暗くなるまでへたり込んでいた
心配した直人さんからLINEが来た
今どこ?大丈夫なの?
ごめんなさい、今 帰るね
と、LINEして歩き出した
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