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「俺の発情が欲しいと言ったのは、もしかして……俺が、あんたに縋って泣きわめく姿を見たいから?」
胡乱な目を相手に向ける。
「うん。そうだね」
即答されて、言葉をなくす。
「発情したオメガに迫られるのは、アルファのロマンだからさ」
陽斗は思わず手元にあった枕を高梨に投げつけた。
「性格悪っ!」
「君が喘ぎもだえながら、挿れて挿れてと涙目になったら、きっと可愛すぎて僕は失神するかも。それを想像するだけでいくらでも自分で抜けるよ」
「俺はエロAVかっ!」
さらに暴れようとしたら、両手を掴まれて押し倒された。ドサリと背中がベッドにあたり、相手がのしかかってくる。
「君の中に挿入りたい。奥深くまで犯してえぐって、届く限りの場所で果ててみたい。僕はいつもそう思ってる。いつかその首輪を外して、うなじに噛みつきたい。僕もそろそろ限界がきそうだ。けど、手荒なことをして嫌われたくない。ホテルで襲いかかったときみたいに、君の心を置き去りにするような行為はもうしたくないんだ」
「……」
「だから必死にこらえている。そこのところは察して欲しい」
シーツに固定されて、上から強い眼差しで見つめられる。グルグル思い悩んでいるのは陽斗だけではなさそうで、レア・アルファであるこの人も、こんなひ弱なオメガひとりに振り回されて壊れた洗濯機になっているのだ。
そう思うと、何だか罪悪感も覚える。
「……ごめん」
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