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冬の薄明
雪が降り寒さ強まる部屋の中
初老の男性とまだあどけなさ残る少女がベッドで仲睦まじく寄り添っていた
男性はとても愛おしそうに少女の髪を撫でる
「もう起きたの?」
少女は自分を撫でる男性の手を握りキスをし微笑んだ
「昨日は、俺と椿の結婚式だったからな。今日から一緒に暮らせると思うと胸がいっぱいで中々眠れなくてね」
「ふふっ。相変わらず可愛いわね、信之介さん」
『椿』と『信之介』
それがこの二人の名前
「やっと…二人で共に歩んで行けるのね」
椿は信之介の額にキスをしながら囁く
「あぁ…やっとだ。長く感じていたがあっという間だったな。もう話さないよ。」
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