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ブレスの件でわかる通り、智志は3つ下の妹・永遠子を溺愛している。メンバーはそれを微笑ましくもややキモく感じており…
「お兄ちゃん、また世理さんに突っ込まれるよ?シスコンって」
「うわ、あいつフラれて荒れてるから、始末に負えな…」
言い終わらないうち「ああん?」というドスの効いた声と共に、智志の右耳が引っ張り上げられる。
「イタタタ、ちょ、DV!ノーDV!」
「私があんたをしばくのがDVな訳ないでしょ、ただの暴力だから安心して」
ドヤりながら彼の耳を引っ張り上げるのは神 世理。ベース担当で、永遠子を上回る172cmの長身女子だ。智志とは同じ大学の2年生同士で、色っぽくワイルドなルックスに惹かれて智志がバンドに誘った。
「こんのシスコン!で?だ・れ・がフラれたって?私から捨てたって言ったろ!」
「ととにかく耳をお離しくださいませんか、大事な商売道具なんで世理様」
「ったく…妹を困らせるんじゃないの。まあでもこのブレスは確かにイイわ、グルーヴに直結してる。ね、ワコちゃん」
「世理さんが言うならこれで行きましょう」
「おま、俺よりも世理の言うことを…まいっか」
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