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「‥‥あった!
これだ…中央児童保護院名簿‥‥‥
…おっ!“潘 豹”‥生年月日‥‥今年8歳ね…ナルホド‥デタラメは言ってなさそうだな…」
キャンプ地では幸いなことに、新参者の私にも快適な個別テントがあてがわれた。
思いがけない厚待遇に気をよくした私は、
率先励行‥保護した子ども達の調書作成の為、身元確認にあたった。
新政府が没収した人民データの閲覧申請を行い、当キャンプ診療所のカルテと照合。
パソコンに向かっていると、俄かにテントの外が騒がしくなった。
…と、女性スタッフの悲鳴と共に件の浮浪児が素っ裸でテントに転がり込んだ。
「あっ☆こんなトコに居た‥あにィ!!!
パンツ返せってこのオバサンに言ってよ!
オレの大事なチンコが風邪ひいちまわァ!」
マンホールの溝鼠は一転、小綺麗な人間らしい風体を取り戻しているではないか!
「オバッ‥
なンですってェ!?誰がオバサンよっ!
こンの‥チンカス小僧ッ!
あんなバッチィパンツとっくに燃やしてやったわよっ!
オラッ!グダグダ言ってないでサッサとコレ着なさいっ!!」
「エ゛エ゛エ゛エ゛‥まぢでぇぇぇ‥
ナニコレ~?ヤだよぉぉぉ…
こんな女みてェなヒラヒラ~‥」
彼は傷病者用の清潔なスモックを広げて渋々袖を通した。
それからブツブツ愚痴を溢しながら私の簡易ベッドの上にどっかりと胡座をかいた。
「‥フゥ‥‥まったく‥手を焼かせるわね…
ご覧の通りよ、まるっと健康☆
怪我・持病・感染症、何一つ異常ナシッ!
ま、チョッピリおツムに栄養が足りてないようだけど(笑)
これ、当面の着替えとサプリメントね。
給食だけじゃ心許ないから‥」
女性スタッフは私のデスクに数種類の小瓶を置いた。
「ははは‥ずいぶんと男前にしてもらったンじゃね?…これでまともに呼吸ができる‥」
「‥あン?
オラァ元々イケてるっての…
男旱だからってオレの寝込み襲うなよ?オ・バ・サン♪」
「ホホホホホホ‥皮も剥けてないガキに用はないわネ☆」
「ウルセー☆ペチャパイババァ!!
ぶーす!ぶーす!!!」
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