第七話

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 私は、コトリちゃんと一緒にリビングに向かい、白いテーブルとセットの白い椅子に隣通しになって座った。 今日は、シオリ母さんの手料理だ。 やがて運ばれてきた料理は、バターライスをふわふわの玉子で包んで、その上からデミグラスソースでトッピングしてあるオムライスと、オニオンスープ。そして、トマトとキュウリのサラダだった。 「コトリちゃん、お腹空いたね! 食べよう?」 そう言って、 「いただきます!」 と言うと、それに続いて、 「いただきます。」 そう言って、コトリちゃんはスプーンを手に持った。 シオリ母さんのオムライス、確かに毎回美味しいんだけど、こんなに美味しいと感じたのは初めてかも。 隣のコトリちゃんは、一口一口を確かめるように、じっくりと味わっていた。 コトリちゃんにとって、初めての味だものね。 シオリ母さんはその様子を愛おしそうに眺めながら、オムライスを口に運んでいた。 その間、ほとんど会話はなかったんだけど、なんだか、温かい空気がずっと漂っていた。
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