第一話

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ふと、 「リンコ、あんたさ、あの制服着てみてよ~? ぜ~ったい似合うから~ ぜ~ったいかわいいから~。」 と、とろんとした表情で言うユウカだった。 いやいや、さすがにそれはちょっと・・・・ 「なに言ってんの? そんなことしたら、二年生ってわからなくなるじゃん。」 そう言うと、 「大丈夫大丈夫! あんたのその体型ならバレないって!」 ユウカはそう言って笑いながら私の肩をポンポンと叩いていた。 !!! それ、言っちゃダメなやつ!! そう思って、少しその場で固まっていると、 「わかった。 リンコちゃんなら似合うよね! じゃあ、私がどうにか調達してくるよ。」 そう言って、アマネちゃんもユウカのそれに加担している。 「いやいや、まってまって、 着ないから!」 「リンコちゃ・・ リンコ、私に任せて! そんなの、ヒメノ先生に言えばすぐだから。」 そう言って、廊下を駆け出したアマネちゃんだった。 あれ? 今までずっとちゃん付けだったのに、なんだかぐっと距離が近づいたように感じて、すごく嬉しい。 「アマネちゃ・・ アマネ! 待って!!」 あ~。 でも、もう追い付けなかった・・ 入学式の後、私たちは左校舎の二階の教室に入った。
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