第七話

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つづいての曲では、アマネがピアニカでエレキギターを思わせるような荒々しいような音を奏でるなか、それをカイくんのホルンが低音で支えて、私がボイスパーカッションでフルートを奏でる中、スズカちゃんのカホンが激しくリズムを刻んでいた。 そして、ボーカル代わりのレイカちゃんのクラリネットが奏でる曲は、ローリングストーンズのgets satisfactionだった。 この曲は、お客さんの中にすごく人気で、先ほどまでの聴くと言うだけよりも、中には体を揺らしてノリノリで聴いてくれているお客さんもいた。 盛り上がるなかで、次の曲はケンウッドマンとピカデリーブラスの、メキシカンフライヤーだ。 これは、本来であれば、金管楽器の中でも、トランペットやトロンボーンのベルが鳴らす重厚で華やかな音がいくつも欲しいところだけど、私たちの金管楽器はカイくんのホルンだけだ。 だから、金管楽器はカイくんのホルンがメロディを奏でつつ、その華やかな伴奏をコトリちゃんのパイプオルガンがメインになって演奏した。 そこで激しくかき鳴らされるスズカちゃんのフラメンコカスタネットが音に興奮をもたらすなかで、私たちは入れ替わり立ち替わりにメロディを奏でていた。 こんな感じでパイプオルガンが響くなんて、私は正直驚きだったけど、ものすごく良い曲に仕上がっていた。
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