わたしの輪郭

干渉しない関係

　橋の下でぼーっとしていた。
　沢井さんは今日こないかもしれない。でもそれは沢井さんが決めることであってわたしが来いと呼び出すことはできない。そうやって自分を作り上げて、その自分を受け入れてくれる人とだけ仲良くしていればいいと思っていた。沢井さんは決めつけられることを嫌う。わたしも嫌い。互いが互いに干渉せず、自分を自分で作る。干渉しないの関係。少しだけいいなって思った。
　髪が風になびいた。残暑も薄れ、穏やかで過ごしやすい気候になっている。うつらうつらと視界が霞む。
　疲れた。
　寝不足の頭は抵抗することを忘れ、そのまま眠りに落ちることにした。起きたときには全部夢でしたなんてこと、あったらいいなと少しだけ期待した。