ウザくてキモくて大好きなお母さん

1/1
29人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
ぎゅうぅぅぅ 私が家の中を歩いていると、いつも突然、母に捕まって抱きつかれます。 母は、私を好きすぎるので、いくら 「ウザい、キモい」 と言っても、すぐに私に触ろうとするんです。 「お姉ちゃんにはやらへんのに、なんで私だけ!?」 私がそう尋ねると、 「だってお姉ちゃんが1年生の時にさぁちゃんが生まれたから、お姉ちゃんをぎゅうってできなくなったのよ。さぁちゃんを抱っこしておっぱいあげなきゃいけなかったからね」 と母は答えました。 なんだか、納得がいきません。 「じゃあ、私もう6年生なんやで、おんなじように、ぎゅうやめればいいやん」 私はそう言うけれど、母は、 「だって、お母さんはうちで1番小さい子をぎゅうするものだから、仕方ない」 と言って聞いてくれません。 「私、お母さんと同じくらい大きいんやけど!」 そう、私の身長は162センチを超えました。 母とほぼ同じです。 「でも、うちの子供で1番小さいでしょ。お姉ちゃんを抜いたら、やめてあげる」 母は引き下がりません。 ちなみに姉は170センチを超えてます。 だから、私は早く170センチを超えたいです。 でも、母に髪を結んでもらうのは好きです。 休みの日など、母に時間がありそうな時は、 「お母さん、髪の毛結んで!」 とお願いします。 母は、 「えぇー!?」 と言いながらも、私の髪を結んでくれます。 それも、決まって編み込みなどの難しくて時間のかかる髪型にされます。 私は、実はこの時間がちょっと好きです。 母には内緒ですが。 だから、ぎゅうううっと捕まえにきた母から逃げつつ、その直後に髪を結んでくれるようにお願いすることもあります。 だから、私と母はいつも文句を言い合ったり、喧嘩したりしてますが、実はとっても仲良しなんです。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!